ヨガに興味がある。
形から入るタイプなので、まずヨガマットを買った。買って満足するタイプなので、まあ使っていない。ヨガの本もついつい買うのだけれど、どれも1ポーズするかしないかで、本を開かなくなってしまう。念のため申し添えると、教室に通う気力はない。
「ヨガやってみたいなあ」と思い続けて、早20年。早っ。やってみたいなあ、という気持ちだけは続いているんだけどなあ。
こんな私が、1冊の本を読んで、毎朝ヨガを続けるようになりました。
『ずぼらヨガ』(著・崎田ミナ/監修・福永伴子 飛鳥新社 2017)は、ヨガに興味はあるけど教室に通う気力はないのよ、ヨガの本を買ってみたけど結局よくわからないのよ、という私のような 面倒くさがりの人のための、楽しい本 です。「よし、今やってみよう」と思わせてくれる不思議な力を持っていて、実際にポーズを真似してみると、すっきりします。
体がかたくても、ヨガマットがなくても、オーガニックに興味がなくても、ヨガの効果は得られるんですよ。
こんな本です『ずぼらヨガ』
『ずぼらヨガ』は、心身ともに疲弊し、仕事をやめ、家から出られない(というか数日間布団の上)状態だった著者・崎田ミナさん(以下、崎田さん)が、ヨガを始めて、自分なりに続けていくうちに、少しずつ健やかな日々を送れるようになったよ、それをこれから紹介します、というまえがきから始まります。ちなみに、全編漫画で描かれています。
著者に親近感がわく
「うまくいきすぎ、信じられぬ」と思いながらも読み進めると、崎田さんはなかなかのネガティブ思考かつ面倒くさがりな人で、途中何度か「わたし?」と思ってしまうほど。どんどん親近感がわいてきます。
崎田さんは長年ヨガを続けているけれど、できないポーズもあるし、体もかたいままだそうです。日常にヨガのある人の体が、やわらかくないことに驚きましたが、その気取らない人柄が「私にもできそう。やってみよう」と思わせてくれます。
「ながら」でOK
崎田さんは、テレビを見ながら、歯を磨きながら、首や背中をほぐしています。ヨガって、「ながら」でもいいのか、と心底驚きました。もっと集中しないといけないものだと思っていたのです。「そんなに適当でいいの?それならできるよ」と思った私は、気になるポーズをどんどんやってみました。今まで何冊もヨガの本を買いましたが、実際にポーズをいくつもやってみたのは初めてのことです。
あぐらでテレビを見ながら左右に揺れる
これも立派なヨガ。これなら私にもできます。いや、できない言い訳が浮かびません。
どこにどう効くのか、よくわかる
崎田さんのイラスト・漫画は、とことん読者目線で描かれていて、ここを伸ばす、ここがほぐれる、こんな効果がある、というのが本当によくわかります。
もし「このポーズで合っているのかな?」と疑問に思ったとしても、「この部分が伸びている感覚があるから、これでよし」と自分で判断・納得できます。
内臓が笑っている
ほぐれて笑顔いっぱいの内臓たち、ねじねじの背骨、興奮したり眠ったりする神経など、普段、自分の目で見ることのない体の一部がとてもユニークに描かれています。この本の特長のひとつだと思います。
猫背で押しつぶされそうな私の内臓が、ほぐれて伸びてふくらんで、「わーい!」と喜んでいるのかしら、と想像しながらポーズを取ると、楽しくなってきますよ。
背骨と股関節をほぐそう
特に毎日ほぐしたいところとして、背骨と股関節が挙げられています。
- 背骨まわりの緊張はいろんなところに影響する
- 股関節にはネガティブな感情がたまりやすい
こんな理由があるそうなので、積極的にほぐしましょう。
完璧にできなくてOK
座ったまま、上半身だけ伸ばしてみたり、布団に寝転んだまま、ねじってみたり。
気持ちよくほぐれたら、それでOKです。完璧は目指しません。
今までヨガの本を読むたびに、クッションを使うポーズがあれば「そんなクッションはない」、壁に手や足をつけるポーズがあれば「そんな壁とスペースもない、だからできない」と、ふてくされては何もしませんでした。
この本を読んでからは、バスタオルをたたんでクッションの代わりにしたり、職場の化粧室の台に腕を引っかけて体を伸ばしたり、昼休みに公園のベンチに腰かけて上半身をひねったり。自分なりの、自分だけの場所や方法を見つけて、こっそり楽しんでいます。
ちょうどいい「ストレッチ壁」を見つけてみよう
『ずぼらヨガ』(著・崎田ミナ/監修・福永伴子 飛鳥新社 2017)
ずぼらヨガを続けている理由
三日坊主ならぬ1ポーズ坊主だった私が、毎朝続けています。理由はただひとつ、ずぼらヨガをしたほうが、明らかに体がラク だから。
朝できなかったとしても、トイレ休憩や昼休み、夜寝る前など、気が向いたときにほぐしています。
まとめ『ずぼらヨガ』
専用ウェアもヨガマットも必要ありませんでした。
いつもの部屋着のまま、バスタオルを敷いて、あるいは布団の上で、ぐーんと伸びるだけで、すっきりします。
ヨガというより、ストレッチという感覚のほうが近いかもしれません。
- 猫のポーズ
- 猫ねじりのポーズ
- 子どものポーズ
この3つのポーズがお気に入りです。
ヨガのハードルをぐっと下げてくれたこの本に、とても感謝しています。
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